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もうすぐ復活する氷川丸


山下公園内に係留する氷川丸は、横浜港のシンボル的存在である。
2006年12月に運営してきた「氷川丸マリンタワー株式会社」の解散に伴い、営業終了となり足掛け2年。
その後買い上げた日本郵船によって修復・修繕が進み、ようやく竣工から78年目の4月25日に再び一般公開されることとなった。

さいたま市・大宮の氷川神社が名前の由来である氷川丸は、1930年に竣工される。当時はアメリカ・カナダとの貨客船競争が熾烈で、日本政府の援助を受けて作られた6層の貨客船の中の一つである。
ハリウッド映画初期の喜劇王・チャーリー・チャップリンは来日の際に天ぷらを好んで食べ、帰国の際は天ぷらが美味いと言われる氷川丸をわざわざ選んだのだそうだ。

氷川丸は太平洋戦争時は病院船としての航行を余儀なくされた経験もある。病院船としながらも、航空燃料を運んでいたため、臨検の際にそれが発覚した場合は自沈を指示されていたそうだ。
もし自沈していたら、今の横浜港はどうなっているのだろうか??

戦後、再び貨客船として復活した氷川丸は、北太平洋を238回横断、延べ25,000人余りの乗客を運び、1960年に航行を終了する。
その後は山下公園で、静かに変わり行く横浜を見続けている。

ちなみに氷川丸で使われた銅鑼は、故・池杉昭次郎氏によって大洋ホエールズ横浜ベイスターズの応援に1995年まで使用されていた。

記事:田中 健介

日本郵船 ニュースリリース『日本郵船氷川丸リニューアルオープン』