ヨコハマ経済新聞アンテナ +

横浜都心臨海部のビジネス&カルチャー情報を配信する「ヨコハマ経済新聞」編集部のブログ

元町界隈

山手地域同様にこの元町界隈も横浜開港から現在に至るまでの港町としての歴史や雰囲気を色濃く残しているエリアである。

当時、横浜村に住んでいた住民が横浜開港に伴い、隣接するこの地に強制的に転居させられたのは1859年(安政6年)。そして1860年(万延元年)には、それまでの本村という地名から横浜元町という地名に変更されて現在に到る。
かつては農業や漁業が中心のところであったが、開港に伴って山手居留地に外国人の住人が増えるにつれ、こうした外国人を相手にした商売が増えていった。
商売相手は「文明・文化」を知る外国人。それ故に、他の地域に比べ必然的に文明・文化が何たるかを早く知り、そしてその舶来文明・文化を用いての商売も盛んになっていった。
現代では、全国どこの地方都市にいっても輸入食料品や輸入雑貨などは簡単に入手できるようになった。しかし、ほんの数十年前の1970年代までは横浜か、横浜同様に西の港町である神戸でなければ見られない珍しい舶来品が多くあったとのことである。
さらには1970年代に「ハマトラ」というファッションスタイルが全国の女性の注目を浴びるようになり、「三種の神器」と言われたキタムラ、ミハマ、フクゾーなどのブランドはもとより、元町商店街の知名度を大きく広げるとともに、そのイメージも確立した。


その元町商店街から山手の丘へ上って行く途中にあるのが元町公園。
周りの観光名所に比べ観光スポットとしての知名度は劣るように思われるが、実際は周りに劣らず面白いところである。
関東大震災で倒壊した外国人住宅の遺構を整備した「ブラフ80メモリアルテラス」、この地に湧く湧水を外国船舶相手に飲料水として販売していたフランス人ジェラールの「ジェラール水屋敷」など歴史的な遺産もある。
そして、なんといってもこの公園は樹木が多く、涼むことのできる場所が多いのがこの季節はありがたい。
散策の途中では良い休憩場所となる。
もちろんエリスマン邸の喫茶室で休憩するのも一興である。


言うまでもなく、元町から山手にかけての一帯は港の見える丘公園や外人墓地、そして今回取り上げた元町商店街や元町公園の他にも多くの見どころがある。
そして元町から山手にかけて上る坂道からは、上るにつれて異なる角度からの港の風景が見えくる。
夏の暑い盛りではありますが、観光とまではいかなくとも散策程度でさえ自分の好きな横浜の風景を新たに発見できるかもしれません。



Motomachi Shopping Street
http://www.motomachi.or.jp/html/index.html


ハマトラの魅力
http://www.fashion-rekishi.com/hamatora.html