横浜スタジアム30周年
「ハマスタ」などの愛称で親しまれている横浜公園の横浜スタジアムが、今年開場30周年を迎えた。
この横浜スタジアム以前も、この地には野球のルーツとも言われる日本初のクリケット場として整備され、
関東大震災後は「横浜公園野球場」として、戦後接収中は「ルー・ゲーリックスタジアム」として、
その後は「横浜平和球場」と頻繁に名称を変更してきた。
1970年代に市民による熱心なプロ球団誘致の署名活動によって、当時川崎球場を本拠地としていた大洋ホエールズが
横浜市への移転を決断、1978年横浜スタジアム完成とともに、横浜大洋ホエールズ、現在の横浜ベイスターズが誕生した。
この横浜スタジアムは、市街地の公園内の限られた敷地が故に、他球場と趣向が違う球場の造りとなっている。
東京ドームや甲子園球場などのビル式、西武ドームやスカイマークスタジアムの掘り下げ式に対して、
横浜スタジアムはすり鉢状………、つまり上に昇るほど面積の広くなるお茶碗のような造りなのである。
そして、センターバックスクリーンの色鮮やかなスコアボードが前面に押し出されているのも他球場では見られないものであり、
かつてのランディ・バース(元阪神)やハマの本塁打王・村田修一らがこのスコアボードに直撃する打球を過去に何度も放ったシーンはハマスタならではの醍醐味である。
Y字型の照明灯は「YOKOHAMA」の「Y」を意識して造ったものである。
また、野球だけではなく、アメリカンフットボールなどの開催に合わせた可動式グラウンドを持つ日本初の多目的スタジアムとしても知られている。
近年老朽化が叫ばれ、事ある毎に新球場建設案が浮上してきたが、まだ30年。大事に使っていこう。
さて、今年のベイスターズはどうだろうか?………あ、今回は触れないでおこう。
記事:田中 健介