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横浜の「近代化産業遺産」


経済産業省が認定する、近代化産業遺産。幕末から終戦にかけて日本の産業発展に貢献した歴史的な工場跡や港湾、鉱山など計575件を昨年の11月30日に発表され、認定証や認定プレートが交付されたという。近代化に大きく関係する横浜だけあって気になるものであるが、一体これはどのようなものなのか。
地域活性化のための「近代化産業遺産群33」の公表について(METI/経済産業省)


調べてみると主な特徴は、(1)幕末から戦前の産業の間での国内産業への貢献という観点から専門家が選定した点と(2)選定した遺産を基に地域史、産業史を軸として計33のストーリーに整理・編集した点ということになるだろう。

このことで歴史文化の理解と向上を目的とする文化庁が認定する文化財とは、同等の目的をなすこともあるが、時期とジャンルを絞った観点となっているし、地域において活性化の取組みに活用しやすい形にとりまとめてある。


さて、横浜の近代化産業遺産に目を移そう。横浜が関連するストーリーは4つ。その中でも特に、『貿易立国の原点』−横浜港発展の歩みを物語る近代化産業遺産群より−(ストーリー14)はストーリーと認定遺産が全て横浜に関わりがあるので、興味深い。


しかしながら、今回認定された遺産が前述の文化庁が認める文化財横浜市の認定歴史的建造物など、既存の認定物と重なる点が多くある。したがって、新しい側面から評価されたことがわかりにくい点は否めないが、まだ認定が始まったばかりの近代化産業遺産。横浜でどう使われていくのか楽しみだ。


【市内で認定された近代化産業遺産】
■欧米諸国に比肩する近代造船業成長の歩みを物語る遺産群、2件(ストーリー2)
横浜市の造船関連遺産
(1)日本丸メモリアルパーク(旧横浜船渠第1号ドック)
(2)ドックヤードガーデン(旧横浜船渠第2号ドック)


■外貨獲得と近 代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る遺産群、1件(ストーリー5)
ホテルニューグランド関連遺産
(1)ホテルニューグランド本館


■「貿易立国の原点」横浜港発展の歩 みを物語る遺産群、17件(ストーリー14)
象の鼻地区の遺産
(1)象の鼻地区
(2)新港ふ頭の遺産
(3)新港ふ頭、旧臨港線護岸、旧臨港線港一号橋梁、旧臨港線港二号橋梁、
  旧臨港線港三号橋梁、新港橋梁
(4)赤レンガ倉庫(旧:新港ふ頭保税倉庫一号倉庫)、
  赤レンガ倉庫(旧:新港ふ頭保税倉庫二号倉庫)
(5)新港ふ頭の港湾施設―50トン定置式電気起重機

横浜港周辺の関連建築物群
(6)横浜第二合同庁舎(旧:横浜生糸検査所)低層棟外壁
(7)神奈川県立歴史博物館(旧:横浜正金銀行本店本館)
(8)横浜税関
(9)神奈川県庁本庁舎
(10)横浜市開港記念会館(旧:開港記念横浜会館)
(11)横浜開港資料館旧館(旧:イギリス領事館)
(12)横浜情報文化センター(旧:横浜商工奨励館)
(13)ホテルニューグランド本館
(14)氷川丸
(15)日本郵船歴史博物館の収蔵物群―日本郵船歴史博物館の収蔵物群

横浜市の造船関連遺産
(16)日本丸メモリアルパーク(旧横浜船渠第1号ドック)
(17)ドックヤードガーデン(旧横浜船渠第2号ドック)


■「重工業化のフロントランナー」京浜工業地帯発展の歩みを物語る遺産群、4件】(ストーリー17)  
京浜工業地帯のインフラ施設
(1)JR鶴見線(旧鶴見臨港鉄道)
(2)電気の資料館の送電遺産群―塔之沢線鉄塔鬼、怒川線鉄塔旭変電所同期調相機

京浜工業地帯に関連する保存建築物・展示物
(3)日産自動車横浜工場一号館(現:横浜工場ゲストホール・エンジン博物館)
  日産自動車横浜工場ゲストホール・エンジン博物館の収蔵物
  ―ダットサン15型ロードスター/7型エンジン/
   495ccエンジン部品/ダットサンの出来るまで
(4)日本ビクター第一 工場ファサード

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