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大きく変わる宿場町〜戸塚駅西口・再開発事業〜


東海道五十三次の宿場の一つである戸塚宿、現在の戸塚駅周辺がいま、慌ただしく変貌を遂げようととしている。
東口については1980年代後半に丸井を中心とした大型商業施設(現在は丸井は閉店し「戸塚モディ」へと経営者変更)
や大きなバスターミナルなどが形成され、ある程度整っていたが、旭町通り商店街を中心とした古くからの個人商店が
多く立ち並ぶ西口は、商店の反対などもあり、なかなか再開発が実現できなかった背景がある。
加えて、国道一号線を交差する東海道踏切(通称・戸塚大踏切)は「開かずの踏切」として有名で、交通渋滞が慢性化し、
大磯町在住であったかつての首相・吉田茂はこの踏切に度々やきもきし、横浜新道を作ったと言われているほどである。


しかし、最近になって戸塚駅西口周辺の様子が慌ただしくなってきた。今年に入り、旭町通り商店街とその周辺にあった古くからの
商店がきれいに取り壊され、広大な更地となってしまっているのである。
幼少期を戸塚で過ごした筆者にとって、この事実はしばらく受け入れ難いものであった。西口を出た途端に香る不二家の甘い香りや、
甘栗の香り(記憶は定かではないが確か甘栗屋があったと思う)、八百屋のフルーツの香り、森永ラブ(これもたぶんあったはず)のミートな匂い、
お茶屋さんが夏に飲ませてくれた甘い「グリーン・ティー」………。
結局食べ物のことばかり覚えているのだが、今となってはそれらが交じり合った私なりの戸塚駅西口のスメルは、もう感じることができない。



横浜市の副都心に指定されている戸塚駅は、これから4,5年がかりで西口の再開発事業を手がけている。
現在の「戸塚バスセンター」よりもアクセスの良いバスターミナルなどの交通広場や大規模商業施設などが建設予定である。
さらにその後2014年には地下トンネルの完成を目標としており、長年の「開かずの踏切」が解消される。


個人的には、あの庶民的な雰囲気が失われた事がちょっぴり寂しいのだが・・・・・・・・・。


記事:田中 健介


・「横浜市 都市整備局 戸塚駅西口第1地区第二種市街地再開発事業

http://www.city.yokohama.jp/me/toshi/totsusai/index.html