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横浜都心臨海部のビジネス&カルチャー情報を配信する「ヨコハマ経済新聞」編集部のブログ

大岡川 〜黄金町・日ノ出町界隈〜

先週、ぐずついた天気が続いたせいもあって、徐々に涼しくなってきている云々と書いてしまいましたが、天気が回復したらまだまだ暑い日が続いています。
今回のSPOTは横浜中心部を流れる大岡川の下流、黄金町〜日ノ出町あたりを見てみたいと思います。


この大岡川横浜市南部の円海山を源流とする二級河川で、港南区や南区を通り、中区を抜けて横浜港へと至る。
かつて今の横浜港から伊勢佐木町あたりは入江の海で、中村川と分岐するお三の宮のある吉野町、蒔田公園あたりが大岡川の河口であった。
1656年(明暦2年)から材木商の吉田勘兵衛によって始められた新田開発により現在に続く地盤が造られ、それまで入江となっていたところの沿岸部が現在の大岡川中村川となり、大岡川の河口も現在の桜木町辺りの下流まで延びた。


そんな大岡川は上流から中流にかけてはごく普通の河川と変わりないが、下流になると少々趣が異なってくる。
中村川と分岐し京急線と並行する南太田付近からは、春は京急線車内からもその美しい桜並木を堪能できる反面、近年まで黄金町から日ノ出町付近あたりには近寄りがたい、戦後から続く古い「昭和」の雰囲気が残っており、京急線のガード下から川沿いまで特殊飲食店が立ち並ぶ風俗エリアとしての顔をもっていた。
また、今でこそ水質が改善され透明度も上がってきているものの、川自体もつい十数年前まではヘドロの堆積した異臭の漂う川であった。


テレビドラマにもなった、黄金町の日劇を舞台にした映画「私立探偵 濱マイク」シリーズの第二弾、「遙かな時代の階段を」ではこの大岡川の利権をめぐる抗争が中心に描かれている。
実際のところ、そういった利権があるかないかは別として、近年までイメージとしては、映画になるくらいそういった負の雰囲気が漂っていた。


しかしながら、最近では地元自治体や警察の浄化活動の結果、特殊飲食店が姿を消し、以前よりも安心して歩ける街になった。
その跡にはBankART桜荘やギャラリースペースなどの文化芸術活動の拠点ができ、積極的に新たなまちづくりが進められているだけでなく、川沿いの歩道の整備や桜桟橋の建築などプロムナード整備事業も進んでいる。
良い悪いは別にして、以前の大岡川、特にこの下流エリアには独特の雰囲気があった。
今後も黄金町から日ノ出町にかけての街づくりや大岡川の河川再生計画などが進められてゆくが、同時にこの川独自の新たな雰囲気も作っていってもらいたい。



なお、9月29日から3週間にわたって土曜・日曜に水上タクシーが桜桟橋を経由して運行される。
変わりつつある大岡川の風景を川面から眺めてみてはどうでしょう。


ヨコハマ経済新聞 9月14日
MM地区で水上タクシーの運行実験−航路に八景島など
http://www.hamakei.com/headline/2668/index.html