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小島鳥水 版画コレクション展

木曜日担当の橋本です。

先日、横浜美術館で開催されている「小島鳥水 版画コレクション展」を見てきました。横浜に育ち横浜で働きながら、浮世絵版画や摺物(チラシやポスター)などを収集し、後には西洋版画の研究と収集をするために11年間も滞米して活動を行った小島鳥水(1873-1948)のコレクションや活動を紹介する展覧会です。

版画の作品が中心だということもあり、どうしても圧倒されるようなものは少なかったのですが、体系的な収集がされているのでなかなか楽しく見ることができました。

本を読むような展覧会と言ってもよかったかもしれません。版画というのは油絵など一点ものには価格的に手が届かない人のために制作されることが多く、この展覧会で紹介されている作品=小島鳥水が集めた版画の多くもそうなのです。

本物が叶わなければ版画やポスター、それにも手が届かなければ作品集やポストカード。これは現代でも一緒。私の場合も、懐と住宅事情のせいで作品を買うことは憚られるので、作品集やポストカードで我慢することが多いです。

展覧会の資料を見ていて気づいたのですが、今回関連の催し物として、「市民コレクターのための美術品ケア」というものを行っているようです。

専門家が家庭における美術作品の保存と取り扱い方法のポイントをレクチャーしたり、作品の状態を公開で診断して今後のケアをアドバイスするとのこと。展覧会の内容とからめた面白そうな企画です。


ハマ経ヘッドライン「明治の文化人「小島烏水」の版画コレクション展−横浜美術館


小島烏水 版画コレクション展
【会期】 2007年1月22日(月)〜4月4日(水)
【会場】 横浜美術館
【開館時間】 10:00〜18:00
 ※金曜日は20:00まで開館、入場は閉館の30分前まで
【休館日】 木曜日


筆者 橋本誠

横浜国立大学マルチメディア文化課程卒業。ギャラリー勤務を経て、フリーのアートプロデューサーとして活動している。主な企画展にReading Room(BankART studio NYK/2005)など。2006年11月より横浜ベイクォーター内「ギャラリーBox」の作品展示をP3 art and environmentの芹沢高志と共に企画・制作。2007年9月に横浜・神戸で開催予定の「都市との対話」展を準備中。

展覧会・イベント情報サイトTokyo Art Beatのレビューページ「TABlog」に編集兼ライターとして参加、ポータルサイトAll About「アート・美術展」ガイドを担当するなど執筆活動も行っている。