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「横浜型地域貢献企業」を支援する全国初の取り組み

 3月13日に横浜情報文化センターで「CSR講演会〜地域社会から必要となれる企業であり続けるために〜」が開催された。

講演会は、「地域貢献企業の創生」を重点事業として取り組む横浜市が「地域とともに成長・発展する企業」を支援していくために企画したもので、「地域社会から必要とされる企業であり続けるための経営とはどうあるべきか」を考えることを狙いとしている。
 講師には、日本興業銀行リスク管理委員会、コンプライアンス統括部などを歴任し、現在はコンプライアンス研究センター取締役を務める山本信之さんと、経済システム論が専門で、横浜市立大学CSRセンターのセンター長を務める影山摩子弥さんを招き、それぞれが「今求められるコンプライアンス経営」、「現代社会とCSR−地域志向CSR−」をテーマに講演を行う。


講演に続き、横浜市経済観光局経営支援課の吉田正博課長横浜市の企業を対象にした「横浜型地域貢献企業支援事業」の概要が発表された。

従来の企業政策は、企業規模の大小を基準として政策を行ってきたが、横浜市では新たに「横浜の地域に貢献する企業であるか」を基準に政策を進める。「地域という視点を持ち、地域に愛され地域と共に成長する企業」を「横浜型地域貢献企業」と位置づけ、「地域貢献」の観点から継続して成長・発展する企業を支援する。
 具体的には、企業の地域志向性を示す指標の「地域志向CSRマネジメント・システム規格」に取り組み、本業やその他の活動を通して地域・社会に貢献する企業を「地域貢献企業」として認定、資金面や経営面など、さまざまな面から企業の支援を行う。
 先行的モデル事業として、6月から規格の導入に取り組む企業を公募し、説明会や取り組み状況の監査を実施、3段階に分けて「地域貢献企業」を認定する。

「地域という視点を持ち、地域に愛され地域と共に成長する企業」を「横浜型地域貢献企業」と位置づけ、「地域貢献」の観点から継続して成長・発展する企業を支援するこの取り組みは、自治体としては全国初だという。

 既に、横浜市立大学が今年度、横浜市立大学CSRセンターというLLPを立ちあげている。また、横浜青年会議所のOBやメンバーを中心として、 特定非営利活動法人 横浜スタンダード推進協議会も活動を開始している。こういった民間の監査機関や認定機関との連携で、事業を推進していくという。

この事業は、今年度策定した中期計画の中で、「横浜経済元気戦略」として位置づけられている政策と連携して効果を発揮していくだろう。

「市民生活を支える地域経済の活性化を図ります」
商店街やコミュニティビジネス事業者など多様な主体との協働・連携により、商店街を中心とした地域経済の活性化を図るとともに、地域人材の育成・活用等による多様な雇用・就業機会を創出し、横浜市の商業力の強化・充実を図ります。
また、社会的事業に取り組む起業家や地域貢献企業を支援し、ビジネスを通じた地域の課題解決に向けた取組を喚起します。


地域貢献企業を支援する事業は、他のさまざまな施策と連動できる事業で、ユニークな都市経営/地域経済活性化のシステムモデルを産み出すポテンシャルがある事業だ。