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「検証:横浜トリエンナーレ、映像文化都市」

こんにちは、毎週水曜日は横浜市の施策、クリエイティブシティを紹介するコーナーです。
「創造界隈」「横浜トリエンナーレ」「映像文化都市」「ナショナルアートパーク構想」の四つのコンセプトで動く施策について解説してまいりました。まずはこの四つの解説を終えて、先週からもう少し具体的にこの構想自体を検証していってみよう、ということで先週は「検証:創造界隈」でした。さて、きょうは「検証:横浜トリエンナーレ、映像文化都市」です。

検証:創造界隈
http://d.hatena.ne.jp/hamakei/20070214/1168363334
横浜トリエンナーレ
http://www.yokohamatriennale.jp/
映像文化都市
http://www.city.yokohama.jp/me/keiei/kaikou/souzou/project/cultural/about.html


「創造界隈」はいまのところ、他の構想より具体的に日常的成果がみえてきています。なぜならば、歴史的建造物にクリエイターをある一定期間入居させて創作活動を行わせるといったような取り組みを筆頭に、現在「創造界隈」が他よりも群を抜いて日常的に継続して行われている事業だからです。要するに、イベントだけではない要素を多分に持っているのです。
それに対し、「横浜トリエンナーレ」はまさにイベントですし、「映像文化都市」も人材育成や横浜フィルムコミッション事業、企業等立地促進制度など幅広く展開していますが実際は「創造界隈」ほど、EIZONEなどのイベント以外での日常的で具体的な取り組みの成果が具体的にまだ見えてこない。
とりあえずイベント以外で日常的に継続して横浜の文化を創っていこうといったときに「創造界隈」以外、まだ具体的に骨組みとしてしっかりしたものとして見えてきていないのが実情だと思うのです。

だから現時点では、「創造界隈」が継続的に横浜市の中心部で根付いていく過程で「横浜トリエンナーレ」や「映像文化都市」のイベント性の強い施策が行われていくことで、さらに「創造界隈」を中心とした横浜芸術文化が発展していく、という構図がもっともだと考えるのが、論理的に一番すっきりするような気がします。
もちろん、「横浜トリエンナーレ」「映像文化都市」にかけている資金は「創造界隈」に比べるとおそらく膨大で、かつ観客動員数からいっても大規模なものであるかもしれませんが、やはりイベントはイベントであり、継続して横浜に独自の芸術文化が根付き自前で発信できるようになっていくためには「創造界隈」のような継続した視点が中心にならざるを得ない。

横浜トリエンナーレ」や「映像文化都市」も横浜の独自の芸術文化を創るための手段であると考えた場合、ただ単に外部からクリエイターを呼び寄せるだけではなく、「創造界隈」や「地元」までをまきこんだものとして考えるのが自然でしょう。
事実、「横浜トリエンナーレ」は2001年と2005年を比較するとわかるように、明らかに「地元」や「創造界隈」を意識したものにシフトしたものになってきています。
「映像文化都市」もEIZONEなどでは、「創造界隈」の歴史的建造物を使ってのイベントを行っています。
そういう点では、もっともっと「創造界隈」と「横浜トリエンナーレ」「映像文化都市」、それぞれがリンクした形で発展していく構図が見えてきます。
究極的には、3年に1回、「映像文化都市」的な「横浜トリエンナーレ」を「創造界隈」にいるクリエイターやキュレーター、プロデューサーを中心に行っていくといったくらいになっ
てくると、現在の「クリエイティブシティ」政策が大きな意味でまとまった結果が出せるようになるのではないか、と思います。

というようなところで、今日のところは終わりです。
ではでは、また今度。

著者:山本浩生 簡単なプロフィール
私は、現在は主に横浜を拠点にアーティストとして活動しています。東京出身なのですが、横浜のアートがいま非常にあついのを察知し、約2年前に横浜にふらふらと拠点を移してきた次第であります。横浜では北仲ホワイトにポロニウムという団体を創って入居していました。
http://polonium.jp