横浜のアート系読書事情
木曜日担当の橋本です。私は大学進学を期に横浜での生活をはじめ、今年で横浜生活が8年目になります。
横浜は行政サービスがよいし、街も東京に比べて人が多すぎず歩きやすいし、遊ぶところも買い物するところもひと通り揃っていてとても住みよいのですが、少なからず物足りない部分もあります。
ひとつ。書店が少ない!
都内に比べて書店が少ない気がします。特に大型書店や個性的な書店、古書店が少なく、専門書を探したい時や、本を安く手に入れたい時に困ることが多々ありました。特にアート系の書籍には、在庫が薄かったり、値段がけっこう高かったりと、頭を悩まされてきました。
しかし、最近では個性的なショップがいくつかできたり、新しく大型店もできたりと、横浜のアート系読書事情もかなり改善されつつあります。今日は私が普段利用している書店などをご紹介します。
まずは有隣堂ルミネ横浜店。横浜で書店と言えば、一にも二にも有隣堂。お世話になってます。
特に横浜駅のルミネ5階にある「ルミネ横浜店」は、横浜の新刊書店ではアート系の書籍が充実していることで知られています。同じフロアには画材店の「世界堂」もありますので、合わせて愛用されている方も多いことでしょう。
続いて昨年10月にオープンしたあおい書店。横浜で最大級の規模の新刊書店です。自ずと在庫も充実。営業時間が10時〜23時と長いのも特徴です。
ハマ経ヘッドライン「あおい書店が横浜西口に大型書店−900坪に55万冊」
続いて個性派ショップ。BankART1929のBankART shopは、昨年販売スペースを拡大し、アート系に限って言えば都内の専門店も驚きの在庫数となりました。私も仕事で欲しい本がある時には一番に電話させていただいています。
カタログやアーティストブックなど非流通本も多く扱っているので、見ているだけでも楽しいショップです。
また、同館3階にはインターネットを中心に古本販売をしていた「ブックピックオーケストラ」がコンセプトショップをオープン。アート系の古本が多く手に入る貴重なスポットです。
ハマ経ヘッドライン「BankART1929にクリエーターのショップ2店がオープン」
書店が駄目なら図書館です。横浜市立図書館は全17館の蔵書をインターネットで検索、予約可能。絶版になってしまった貴重本が、意外に簡単に見つかったりします。
横浜美術館の美術情報センターも専門書を多く所蔵しています。こちらの蔵書は館内のみでの利用になりますが、これを逆に考えると、貸出中がありえないということ。ネットで蔵書の有無をチェックして、確実に閲覧できます。
2004年よりサービスが開始された、東京国立近代美術館、東京都現代美術館との連動検索「ALC」には、現在国立西洋美術館、東京都写真美術館、国立新美術館が加わり、益々便利になっています。
といったわけで、近頃では横浜のアート系読書事情もかなりよくなってきました。皆さんもぜひ利用してみてくださいね。
BankART1929にオープンしたブックピックオーケストラのブックショップ
筆者 橋本誠
横浜国立大学マルチメディア文化課程卒業。ギャラリー勤務を経て、フリーのアートプロデューサーとして活動している。主な企画展にReading Room(BankART studio NYK/2005)など。2006年11月より横浜ベイクォーター内「ギャラリーBox」の作品展示をP3 art and environmentの芹沢高志と共に企画・制作。
展覧会・イベント情報サイトTokyo Art Beatのレビューページ「TABlog」に編集兼ライターとして参加、ポータルサイトAll About「アート・美術展」ガイドを担当するなど執筆活動も行っている。