横浜市民メディア連絡会シンポジウム レポート
4月12日(土)、横浜市市民活動支援センター(西区みなとみらい)にて、横浜市民メディア連絡会のシンポジウムが開催された。同連絡会は、市民が自由に市民メディアを活用してコミュニティの課題を主体的に解決するため、市民メディアの活用研究・メディアリテラシー研究などを行い、市民団体・行政・大学・メディア・企業の会員メンバーが協働して行政への政策提言・社会的実験などを行なう市民団体として、2002年に設立された。
第1部として同連絡会代表の和田昌樹氏からあいさつがあった後、第2部として坪田知己氏(慶應義塾大学大学院教授(電子メディア論)・日経メディアラボ所長)による基調講演が行われた。講演テーマは、「新しい時代をつくる市民メディア 〜顔の見えるつながりづくり」。最初に、坪田氏らが創設した「日経地域情報化大賞」の活動などを通じて見えてきた、全国各地の地域情報化や市民メディアの優れた取り組み事例が紹介された。一方的に情報発信する既成の大メディアではなく、双方向の情報発信が可能な新メディアであるネットの活用と、地元住民の草の根的な努力により、地域情報交流の活性化に成功した、全国や海外のユニークな活動事例が興味深かった。さらに、これからの時代は行政や他者を蹴落とす競争資本主義メディアではなく、人間同士の信頼関係を大切にする地域市民メディアが社会を良い方向に変えていくという坪田氏の持論が、熱く展開された。
第3部は、「地域を元気にするWeb2.0時代の市民メディアとは?」をテーマにしたディスカッション。ゲスト:坪田氏、庄司昌彦氏(国際大学GLOCOM研究員、地域SNS研究会)、岩室晶子氏(つづき交流ステーション副代表)、進行:杉浦裕樹氏(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ理事、ヨコハマ経済新聞編集長)により行われた。庄司氏は、地域SNSなどの市民メディアについて、全国で多くの取り組みが行われていること、ネット外のつながりを生み出していること、プロによって編集されていないリアルな情報の双方向交流であるという特性、長所と短所、今後期待される可能性と課題などについて、研究成果を紹介した。続いて岩室氏が、ネットを活用した都筑区民の情報交流の取り組み、そこから発展したリアルつながりや街の活性化などについて、苦労したり嬉しかったりした経験を語った。坪田氏は、お二方の話をもとに、市民メディアへの期待と展望を述べた。会場の参加者からも、市民メディアについての意見や経験談が発せられた。
シンポジウム終了後、同連絡会の総会が開催された。その後の懇親会では、様々な活動に携わっている会員・参加者が、市民メディアについて、それぞれの活動経験や意見などを交わし、親睦を深めていった。
(リンク)
横浜市民メディア連絡会 http://www.y-cmc.com/
日経メディアラボ http://nikkeimedialab.jp/
第2回地域SNS全国フォーラム in 横浜 http://plat.yokohama150.jp/forum/
つづき交流ステーション http://www.city-yokohama-tsuzuki.net/
地域SNS研究会 http://www.glocom.ac.jp/project/chiiki-sns/
ヨコハマ経済新聞記事 http://www.hamakei.com/headline/3136/