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「DRAGON EXIT」

 横浜市にはいくつもの高速道路がある。首都高速神奈川線もだいぶ時間を要したが、ほぼ全面的に計画通り完成、整備されている。その中でも横羽線や湾岸線は、東京都心や2010年をめどに国際化を目指す羽田空港を結ぶ重要なパイプラインだ。
 特に湾岸線は空の玄関口である羽田空港へのアクセスが歴史の深い横羽線よりもここ数年で抜群に良くなった。横羽線の「羽田」は、出てからさらに環八で空港まで5〜10分近くかかるが、。湾岸線だと「空港中央」から降りると、もうそこは羽田空港出発口である。湾岸線はベイブリッジ付近から3車線になるので、絶望的な渋滞もほとんどなく、横浜市中心部から30分足らずで羽田空港へ行ける。

 一方、東京方面から湾岸線で横浜市中心部である関内へ来る者としてのアクセスはどうか?新山下で降りるか、横羽線のみなとみらいで降りるしかないが、どちらも関内へ行くには時間がかかってしまう。そこら辺りも、関内が衰退傾向である原因なのか?
 そこで現在建設中なのが、「横浜公園出口」である。今年12月に完成予定で、着々と工事が進んでいる。湾岸線から向かって狩場線方面へ向かい、石川町ジャンクションを経て、ちょうどその辺りから切れ目ができ、左にJR石川町駅、右は中華街・横浜スタジアムを横目に、横浜市庁舎の目の前に出る。
 これだと、新山下出口に比べて6分もの時間短縮が実現するそうだ。羽田空港から20分程で関内、というのも不可能ではないだろう。これは何を意味しているかというのは、私は以前から弱いとされてきた横浜関内地区の心臓部再生とみる。

 関内地区は開港以来横浜の中心部、いや日本経済の中心部として栄えてきた。しかし、戦後は接収などもあり、満足な都市開発ができず、あらゆる意味での整備が不十分なまま今日に至ってきた背景がある。特に交通アクセスにおいては、他方からの玄関口が横浜駅や新横浜駅であり、みなとみらい地区の台頭で関内地区はすっかり置き去りにされつつある。
 しかし、横浜市庁や神奈川県庁などの官庁舎は関内であり、大桟橋などの海の玄関口もある。魅力やポテンシャルは、引き出しようによってはまだまだ充分に秘めている。
 羽田空港が仮に国際化するとして、海外の要人や海外の企業誘致などのアクセスを目的に考えると、この「横浜公園出口」にちょっぴり期待をかけてみたいと思う。


 しかし、目の前に中華街があるからか、この出口の曲線美はまるで龍のようだ。個人的に「DRAGON EXIT」などと呼んでみようかと思うがいかがであろうか?ドラゴンもいいが、それよりもベイスターズには頑張ってもらいたいのだが…。

《参考リンク》
・『首都高速道路横浜公園出口 湾岸線方面からの出口をただいま建設中』
http://www.wangan-yokohama.jp/
・『横浜市道路局 「(仮称)石川町出口」の名称が「横浜公園出口」に決定しました。』
http://www.city.yokohama.jp/me/douro/jigyochosei/ji/press20070516.html


記事:田中 健介