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ZAIMフェスタ2008 全館で芸術開花宣言!


横浜市が推進する「文化芸術創造都市」構想の主要拠点ZAIMで3月15〜30日、年1回の全館フェスティバル「ZAIMフェスタ2008」が開催されている。これは、ZAIMに入居する25組のアーティストや団体が日ごろの成果を発表し、同施設の活動をアピールするもの。期間中は現代アートからイラスト、立体デザイン、映像、ダンスまで、入居団体による多種多様な作品の展示やワークショップなどが開催される。また、20〜25日のコア期間には入居団体の自室を開放し、アトリエの製作風景や作品を見ることができる「オープンスタジオ」も行われた。来館者にとっても単に作品を鑑賞するだけでなく、日ごろ接する機会の少ないアーティストやクリエイターたち交流を持つことができる機会でもある。

ZAIMフェスタ2008

ZAIMフェスタZAIMで全館フェスティバル−入居25団体が日ごろの成果を発表(ヨコハマ経済新聞)

ZAIMフェスタ2008実行委員長の竹本真紀さんは、ZAIMでの活動をいかにして外へ向けて発信していくかに腐心したとか。自分たちの活動を街へと発信したいという考えは、全ての入居団体が共通して持っているという。自らも作品を出展している美術家の竹本さんは、「普段の活動とその成果を見てもらって、新しい意見や感想を聞かせて欲しいですね。私たちの活動は言葉で完全に伝えることはできない。各アーティストが自信をもって行っている活動なので、実際に目にすることで感じ取って欲しい」と話す。

ZAIM

ZAIM別館2階では、福岡在住の美術家・藤浩志さんが考案したプログラム「かえっこバザール」が開催されている。同企画は、子供たちが遊びの中で自主的に自由な活動を実践していくことが目的のワークショップだ。かえっこバザールは、子供たちが使い古したおもちゃを持ち寄って、他の子供が持ってきたおもちゃと交換するもので、その際に使われるのが「カエルポイント」というバザール内だけで流通する通貨だ。子供たちは自分の持ってきたおもちゃを換金するか、用意された数種類のワークショップに参加しながら作品制作を行うことによって、カエルポイントを受け取ることができる。それらのカエルポイントを使って、同じスペースにストックされている他の子供が持ち寄ったおもちゃを購入する仕組みだ。

かえっこバザール

小さな額縁に入った作品を部屋一面に飾ることで、独特な空間を作り出しているのがZAIM別館3階で行われている「小額の中の宇宙展」だ。限られた空間の中で自分の世界観をいかに表現できるかがテーマで、1つの部屋の中で参加作家たち独自の表現が混ざり合う空間を楽しめ、作品を購入することもできる。主催するのは、横浜で活動するアーティスト・クリエイターのネットワークづくりを行っている「ジョイントワークス」。ジョイントワークスのHALさんはこう語る。「日本には、床の間に絵を飾るという古くからの風習があったが、ライフスタイルの変化などから、そういった風習が失われつつある。今回の展示を通じて、四季折々に絵を掛け替えていく風習の良さを再発見してもらいたい。そのために、幅広いジャンルで小型の枠に入った作品を展示・販売している」。

ジョイントワークス
Eldorado of Hal_

ZAIM
アーツコミッション・ヨコハマ
横浜トリエンナーレ

広く一般の人にZAIMで何が行われているかを見てもらうことの意義を、プロデューサーの川崎義博さんはこう語る。「各アトリエを オープンにして、多くの人に見てもらうことは、街の真ん中にあるZAIMだからこそできる。外から見ているだけでは一つに見えてしまうが、それでは退屈だ。各入居団体が積極的に街との繋がりを持つからこそZAIMは面白い。この立地条件ならではの活動をさらに模索していきたい」。

これほど多様なジャンルで活動している団体・アーティストとじかに接することができる機会は珍しい。アートが好き、そして横浜が好きな方は、一度ZAIMフェスタに足を運んでみてはいかがだろうか。横浜がもっと好きになる何かを発見するかもしれない。

記事・文 福永 フォルカ + ヨコハマ経済新聞