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開港150周年に向けて必要なこと〜市営地下鉄にみるホスピタリティー〜



 2009年に開港150年を迎える横浜。 この150周年を軸に横浜市のあらゆる団体が、観光やビジネスなど多方面にわたって誘致活動を行い、事業を進めている事は周知の事実である。


 横浜市は第二次大戦後、市内の60%もの土地が米軍によって接収されるという憂き目に遭ったことで、東京を始めとした他の全国の政令指定都市に比べると決して満足のいく都市形成が出来たとは言えず、いかに横浜中心部へ快適なアクセスをするかというインフラ面での整備については長年の課題とされてきた。近年では首都高速の大部分は整備されてきたが、鉄道面では横浜市営地下鉄などは東海道新幹線の玄関口である新横浜駅と横浜中心部である関内・桜木町などを結ぶ路線とあって、「横浜への誘致」という点では今後注目すべきものであり、また不可欠なものである。


 その横浜市営地下鉄では近年様々な取り組みを行っている。今年9月にホームへの転落等を防いでより安全となったホームドアの全駅稼動を果たしたばかりではあるが、2003年には平日朝限定だが女性専用車両が導入されており、また同年全席優先席となっている。また、妊娠中であることを他者へ伝えるマタニティ・マーク着用者への配慮を呼びかけたりもしている。


 ホームドア導入や車椅子乗り入れ可能なエレベーターの整備などは交通サービスをすべての人々へ提供する上では当然のことである。設備上においての質的向上は、資金さえあればという前提ではあるが、いくらでも可能である。しかし、女性専用車両や全席優先席などの質的向上については、我々利用者に委ねられている。果たしてうまく利用できているのだろうか??


 女性専用車両が設けられたために、痴漢という犯罪行為は減るのだろう。しかし、女性専用だからと、車内での飲食や化粧を平然と行う女性がいるらしい。急いでいる時間帯で誤って乗ってしまう男性…、なぜ男性専用車両がないのだろうと感じてしまうジェンダー的要素…。
 全席優先席はどうか?本当に座りたい、座らなければならない人へ、速やかに席を譲れているのだろうか? 先日知人からマタニティー・マークを身に付けて地下鉄に乗ったがちっとも譲ってくれる雰囲気がなかったとがっかりしていた人がいたという話を聞いた。妊婦は、おなかが大きくなる時よりも、その前が大変なのだそうだ。


 横浜という場所は、日本で初めて開港したこともあって、どんなものでも受け入れられるという懐の深さがその土壌にあり、それをハマっ子特有のホスピタリティーなのだと私は信じている。
何も江戸っ子とは違って、3代続かなくても3日住めば誰でもハマっ子なのである。鉄道を始め、様々な文化の発祥の地でもあるので、女性専用車両や全席優先席などと言われなくとも、自然にそのような流れになる世の中をこの横浜市から作り上げられればこの上ないだろう。


 世の中「官から民へ」という風潮である。開港150周年事業は、市民の力に委ねられている。きっと2009年には「ようこそヨコハマへ!」というもてなしの心がみんなにあって、地下鉄の車内でも、いやそれ以外でも街の至るところでほんのちょっとした心遣いができるような社会になっているだろう。そうに違いない。ハマっ子はクールで熱いのだ。この私自身がハマっ子だからよくわかっている………つもりである。


記事:田中 健介

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