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野毛山公園

かつては横浜を代表する豪商が住んでいた野毛山。
今は市民が憩う緑豊かな公園、動物園となっている。

野毛山公園が開園したのが1926年(大正15年)。それまでこの地には、明治時代の横浜を代表する豪商である原善三郎や茂木惣兵衛らの屋敷、日本初の浄水場などがあったが関東大震災で壊滅。そして横浜市がその跡地をまとめて公園・地下配水池として整備したのに始まる。


1887年(明治20年)に日本最初の近代水道が整備され、野毛山に最初の浄水場が完成し、40km以上も離れた相模川上流で取られた水はここまで送られてきていた。
その後は上記したように関東大震災で浄水場としての機能は失い公園として整備されたが、現在に至るまで地下配水池としては機能している。
この配水地では「浄水場でつくられた水が家庭に届く前に蓄えておく」、「災害など緊急時の飲み水を蓄えておく」という役割を持っていると同時に現在も西区全域と中区・南区の一部の地域にここから水が送られている。

ちなみに、この野毛山の北西方面には相模川上流である津久井から鶴ヶ峰を通り、西谷浄水場を経てここ野毛山までつながる水道管が今もあり、「水道道」と呼ばれている。
道道は野毛山の尾根周辺だけでも相当なアップダウンがあり、この山の上まで水道管を配管した当時の技術にはつくづく感心させられる。
また、その水道技術に貢献した「近代水道の父」パ−マ−の胸像もこの配水池上に建てられている。


以前、野毛山公園にはどうぶつ広場があり、小さいものはモルモットやうさぎから、大きいものは山羊までと直接触れ合える場所で、隣接する野毛山動物園の一部としての役割もあった。
現在はそのどうぶつ広場も動物園内に移ってしまったので、純粋な公園となってしまったが、それでも魅力は十分ある。
それはなんといっても大変眺めの良い展望台である。
もともと高台なので展望台に上がらずとも景色は良いが、更にこの展望台からは南方に根岸森林公園の旧一等馬見所、港方面ではマリンタワーベイブリッジ鶴見つばさ橋、そしてすぐ近くにランドマークタワーなど高台ならではの景色を存分に眺めることができる。
残念ながら北側の横浜駅方面は動物園の木々に視界を遮られ、見にくくなってしまっているが、公園内の木々の葉が枯れ落ちている時期ならば、北から西へかけて丹沢や富士山を眺めることもできる。
横浜の中心街を見渡すことのできる、この地に立ってみると、横浜を代表する豪商らがなぜこの野毛山を好んだかが分かる気がする。



野毛山公園
住所:
 〒220-0032
 横浜市西区老松町63-10
交通:
 JR根岸線横浜市営地下鉄「桜木町」駅下車徒歩15分
 または「桜木町」駅より市営バス89系統「一本松小学校」行き「動物園前」下車すぐ
 京浜急行日ノ出町駅」下車徒歩10分