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「Honmoku Night Spot〜本牧ネオン八景・後編〜」

 左手に山手警察所前の交差点を睨みつつ、本牧通りを行く。この辺りは米軍による接収時代、「AREA-1」と呼ばれる住宅地区であった。周辺では個性的なアメ車が行き交っていたと言われる。そんな時代の名残として、「MOONEYES AREA-1」がある。モータリゼーションの象徴であるアメリカ西海岸のドライブインのような雰囲気だが、残念ながらこの店の前に乗りつける(路駐する)事はできない。この地域は山手警察が目を光らせているからだ。しかしこのお店の裏に専用駐車場があるので安心を。ここでは古き良きアメ車に限らず国産車を楽しい車に仕立ててくれるショップなのだ。CO2削減が叫ばれているが、ハイブリッド車を購入→材料調達→生産→納車→早いうちに買い替え…の流れと古い車を大事に直し直し使うのはどっちが結果的にCO2の使用量が多いのだろうか?難しい問題はさておき、隣接する「MOONCAFE」ではボリュームあるハンバーガーなどが味わえる。


 さらに本牧通りを行く。マイカル本牧だ。今は見る影もないと言ったら失礼かもしれない。今、懸命に再生へ向けて動いているようだ。かつては高級なブランド店が集中していた5番街もついにテナントがゼロに。しかし、建物の状態を確認後、再びテナントを入れる計画があるようだ。今度はよそ者向けでなく、地域密着型のものを創りあげてもらいたい。そんな5番街の横には6番街のシネコン、「ワーナーマイカルシネマズ」があった。マイカルの破綻で現在は松竹系の「MOVIX本牧」と名前も変わっている。今や横浜市内の映画館はMM21地区へ持ってかれ感が強いが、ここも設備としては申し分ない。何より穴場である。



 もう少し本牧通りを進んでみよう。左手に焼肉屋のネオンが。「炭火焼肉 樹々苑」である。なんだ、ただの焼肉屋じゃないか、とお思いかも知れないが、ここの店主は野菜のソムリエであり、横浜野菜推進委員会の代表でもあるのだ。焼肉屋に不可欠なサンチュやキムチは横浜産の野菜を使用している。上質な肉だけでなく、地場野菜を味わうことのできる地域密着型店舗である。侮れない。



 本牧通りも間門に差し掛かると終わりを迎える。この辺りにもネオンが。前編・後編と2回にわたった「Honmoku Night Spot〜本牧ネオン八景〜」の最後を飾るのは「BOOGIE CAFE」である。かつての「ゴールデンカップス」とともに、本牧の伝説のバンドと言われた「パワーハウス」にいたCHIBOこと竹村栄司氏がオーナーを勤めるお店である。竹村氏は60歳となった現在でも「The Mojos」のボーカリストとして元気に「本牧ロック化計画」を推し進めている。何より今が楽しいんだ!という姿勢を常に持ち続けているのがすごい。とかくこの年代にもなれば、「昔は良かった…」などと言いがちではあるが、氏は「そんなの、ゴールデンカップスじゃねえんだからよぉ!」と、譲らない(笑)。今が楽しい!そういう気持ちが表れている楽しいお店である。

 本牧は、やっぱり実際に訪れてみないと魅力が分からないのかも知れない。何も夜ばかりが魅力的なのではない。昼間でも魅力あるスポットは数多い。基地があったから魅力、それだけが全てでもない。なんとなく元町や伊勢佐木町MM21などとはどこか異質な空気があり、その空気が本牧という街の魅力を醸し出しているのかも知れない。

記事:田中健

(参考リンク)
・「中西さん.jp 『中西さんが行くvol.5【中区・本牧エリア】 独特のオーラを放つアメリカ〜ンな街』」
http://nakanishi-san.jp/bizport/blog/nakanishisan/article/atc00000006
・「MOONEYES AREA-1」
http://www.mooneyes.co.jp/shop/area1/
・「松竹映画館ドットコム〜MOVIX本牧」
http://64.56.183.125/guide/mxhon.htm
(参考文献)
・「機関誌 横濱12号」(横浜市市民活力推進局広報課・神奈川新聞社
http://www.kanaloco.jp/bookbar/entry/id_356/
・「機関誌 横濱15号」(横浜市市民活力推進局広報課・神奈川新聞社
http://www.kanaloco.jp/bookbar/entry/ad1/