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ホテルニューグランド 〜横浜港を見つめて80年〜

こんにちは。今週はホテルニューグランドを紹介したいと思います。
ホテルニューグランド山下公園とともに昭和から平成へと横浜港を見つづけてきた貴重な存在で今年の12月で80周年を迎えます。
関東大震災後、無残な姿となった横浜に、横浜市をはじめ政財界から日本を代表する港町にふさわしいホテル建設の声が高まりました。
こうした背景を元に横浜市議会を経て、山下公園開園より8年早い昭和2年にホテルニューグランドは開業しました。

ホテルニューグランドが有名なのは、なんといってもマッカーサー元帥が滞在したことではないでしょうか。
昭和20年8月30日、厚木飛行場に降り立ったマッカーサー元帥はそのままこのホテルニューグランドにやってきました。
厚木から横浜に至る道すがら、マッカーサー元帥の車列に対し、敗軍の兵たる日本兵は背を向けることで敬意を表したとのことです。
そして翌朝の朝食で、普通は2つ出てくるはずの目玉焼きが1つしかシェフが用意できなかったことから日本の食糧事情の悪さを知り、食糧事情の改善、そして後の給食制度ができたと言われています。
このホテルは戦後の進駐軍の改革に大きく関わっていたのです。
ちなみにマッカーサー元帥は以前、2度目の結婚の新婚旅行で昭和12年にも、このホテルに滞在しています。


また、前回「港の見える丘公園」の時に紹介した大佛次郎氏は、昭和6年から約10年に渡りこのホテルに滞在し執筆活動を行っていました。
著書「横浜今昔」にも氏が滞在した318号室について記されています。
大佛次郎氏が昭和48年に東京の病院で亡くなると、遺体を載せた車は鎌倉・雪の下の自宅へ帰る際、ホテルニューグランドを経由し最後の別れを告げていったとのことです。


横浜市外の人はもちろん横浜市民もあらためて、横浜の文化だけでなく日本の歴史にも大きく関わっていたホテルニューグランドを訪れて歴史を感じてみてはいかがですか。


ホテルニューグランド 沿革
大正 15年7月 株式会社ホテル、ニューグランドを設立
昭和 2年12月 ホテルニューグランド新築完成 営業開始
昭和20年 8月 駐留米軍により全館接収 米軍将校宿舎となる
昭和27年 6月 全館接収解除 同年 7月1日より自由営業開始
平成 3年 7月 新館(ニューグランドタワー)新築完成
平成 4年 4月 本館前面改装工事完了 営業開始
平成 9年12月 新館屋上スカイチャペル増築
平成15年12月 新館(ニューグランドタワー)客室全面改装工事完了
平成16年 4月 本館客室改修改装工事完了


ホテルニューグランド公式HP
http://www.hotel-newgrand.co.jp/